姉さん・・・。

「姉さん。頭が痛いよ」
「まあヒロ君どうしたの? さっきは真っ青だったのに、顔が真っ赤よ」
「全身の血が煮えたぎっているんだ。僕は怒っているんだ」
「どうしたの? とりあえずアタシに話してごらん? ね? 大丈夫だよ?」
「さっき夜食を買いに外に出たんだ」
「うん。うん」
「そしたら・・・、犬を連れた40くらいの人がいて」
「あら? 貴方の住んでいる処はペット禁止じゃなかった?」
「集合住宅で犬を飼うような心無い人が増えたみたたい」
「そう。。。それで?」
「犬が僕に向かってほえるたんだ」
「それで怒ってるの?」
「分らないよ。ただ、無性に腹が立ってきて・・・僕は・・・僕は・・・」
「いいよ。いわなくても」
「僕には、犬はただ僕を怖がってただけだと・・」
「弱い犬ほど良く吠えるって、いうよね」
「僕は、昔からよく犬に吠えられるから、もう慣れてるはずなのに」
「でも、私だって犬に吠えられたら嫌だな」
「それが、いつも小型犬ばかりで、キャンキャン酌に触って堪らないんだ」
「うん。想像してチョット気分悪くなった」
「僕のほうは、道端だろうが高速道路の上だろうが、犬の事なんか気にも留めないのに」
「犬畜生に吠えられるのが不愉快?」
「そうじゃないんだ。僕には一切敵意なんかないのに・・・。なんで犬は僕を威嚇するんだろう?」
「あなたのことが怖いからよ。犬は自分の弱さを怖がっているだけよ」
「想像の余地は、、、あるけど」
「動物はそれだけ本能で生きてるってことじゃないの?」
「ああもうだめだ。本音を言うよ。僕は犬が嫌いなんだ。不愉快だ。飼い主だけに尻尾をふって。飼い主もどういうわけかくたびれた[おっさん]ばかりで、僕が不快感を露骨に現しても、犬を咎めるでもなく謝るでもなく、黙って立ち去るばかりで・・・」
「そっか」
「」
「でももうここには犬なんていないでしょう?」
「猫ばっかりだね」
「今日は猫会議の日じゃなかった?」
「アッたいへんだ。こうしちゃいられないや」
「じゃーね。みゅーこたん」
「みゅーみゅー」